「わび・さび」という言葉を聞いた事があると思います。
この日本語について詳しく掘り下げていくと、「侘しさ」「寂しさ」を表す言葉に、より美的な意味合いを加えた概念になるようです。
まずは、「さび」ですが、これば見た目の美しさについての言葉です。
この世のものは、時間が経つにつれてさびれたり、汚れたり、欠けたりします。
一般的にそうした経年変化は劣化していくとみなされますが、逆にその変化が織りなす多様な独自の美しさを「さび」といいます。
一方、「わび」は、さびれや汚れ、欠けを受け入れ、楽しもうというポジティブな心についての言葉です。
つまりは、さびの美しさを見出す心がわびなのでしょう。
さびが表面的な美しさだとすれば、わびは内面的な豊かさであり、両者は表裏一体の価値観といえます。
千利休の茶道具は、清潔にして簡素だったそうです。
豪華な物ではないからこそ、ものの本質に迫り、形そのものの美しさに目を向けることができたのかもしれませんね。
私は時折お年寄りの方に、わびさびの本質を感じたりします。
皆様も機会があれば、戦争を体感したくらいのお年寄りの方に接してみましょう。
忘れていた和の心を見つめ直すいい機会になるはずです。