小川予報士のウラナミ『これからの季節が好き!』

小川予報士

小川予報士
小川予報士:「波伝説」および海専門気象情報サイト「マリンウェザー海快晴」の概況でおなじみの気象予報士。もともとはヨット部で培われた海の経験を、ウインドサーフィン、サーフィン、SUPなどに生かし、自称ウォーターマンを目指しています。

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台風18号に続いて台風19号が過ぎ去り、各地には大きな爪あとを残して行ってしまいましたが、皆様のところでは大丈夫だったでしょうか。自分の住んでいる湘南では、大きな被害はなかったものの、台風18号のときは、浸水や冠水したところもあり、大変だった場所もあったようです。自分の家の前でも冠水までは行かなくても、道路の側溝から水があふれ出し、このまま水が増えたら大変なことになる、という寸前までいきましたが、大事には至らず、大丈夫でした。

ちなみに台風19号では、ここ湘南に限っては、予報していたほどの大きなサイズアップはなく、連日サーフィンできていました。自分も5日間連続で海に入れてしまいました。その間も、大型で猛烈に発達した勢力にまで成長した台風19号からの強い南~南西寄りのうねりが徐々に強まってくるのだろうと思っていたのですが、連日同じようなサイズが続いていました。これは、台風の北側には冷たい空気と台風からの暖かい空気とはぶつかる前線があり、その前線によって台風からのうねりがブロックされていたからのようです。これだけ大型で発達した台風からのうねりでも、前線があるだけで相当ブロックされてしまうことについて、改めて勉強になりました。ある程度はブロックされるとは思っていても、さすがに台風からのうねりの方が強く、うねりに敏感な場所ではクローズしてしまうだろうと、自分の中では思っていましたが、数値予報を見ても、周期は長くても、波高があまり上がっていなかったので、どこまでそれを信じて良いのか、正直自分でも疑問がありました。でも、連日海に入り、毎日湘南の海を見ながら、いつまでたっても強烈なうねりが入ってこなかったことで、徐々に前線の存在によってうねりがブロックされていることがわかってきました。まだまだ勉強することはありますね。湘南以外でも、同じようなことが起こっていた場所もあったと思います。

ところで、こうした台風が過ぎ去ると、もう秋が訪れ、冬の足音が聞こえてくるのでしょうね。朝晩はだんだんと冷え込んできて、日中でも半袖で過ごせる日も少なくなってしまい、ウェットスーツもシーガルやロンスプからフルスーツがメーンとなり、海から上がった後は寒く感じることが多くなると思います。でも、その分、空気も澄んで、海や空も綺麗になり、湘南から見える景色も一層綺麗になってきます。自分はこの季節が一番好きです。

湘南から見える富士山、伊豆半島の山々、そしてその山々の向こうに沈んでいく夕陽がたまらなく綺麗になります。朝陽ももちろん綺麗で、朝焼けは格別になってくるでしょう。波情報のチェックで朝一のシフトでは、ちょうどその綺麗な朝焼けが見えるようになるので、外気の寒さで手がかじかんで、うまく携帯を打てなくなってしまうほどになってきてしまいますが、その朝焼けを見ると、その苦労も吹っ飛びます。

冬に向かって寒さはさらに厳しくなり、暖かかった日々が少なくなるのはさびしい感じがしますが、周りの自然が綺麗に見えるようになってくるので、これからの季節を楽しみたいと思います。

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