ジェフリーズ・ベイ、サウス・アフリカ（2015年7月19日、日曜日）サムス ン・ギャラクシーWSLメンズ CT第6戦『Jベイ・オープン』は、3タイムWSLチャンピオンで、ディフェンディング・イベント勝利者のミック・ファニング（AUS）が、ジュリアン・ ウィルソン（AUS）とのファイナル開始直後に、シャークアタックを受けたため大会中止となった。
インターネットのライブ中継では、ファニングが2匹のサメに襲われる映像が映し出され、ウォーター・セーフティ・チームがすばやく到着して、ファニングとジュリアン・ウィルソンをセーフティ・ボートに乗せて救助する瞬間を映し出した。リーシュは切断されたが、ファニングは怪我ひとつする事無く無事だった。
「誰も大きな怪我が無かった事を本当に感謝したいと思います。」と、WSLコミッショナーのキーレン・ペローが言った。「恐ろしいシチュエーションに直面したミックの落ち着いた素早い行動をたたえたい。
そして、我々のウォーター・セーフティ・スタッフの迅速なレスポンスは本当に素晴しかった。彼らの仕事は本当にワールドクラスです。アスリートの安全こそがWSLの優先している事です。
私たちは2名のファイナリストとディスカッションをして、Jベイ・オープンにお ける、コンペティションの残された最終ヒートをキャンセルすることにしました。サポートして下さった関係者の皆様に感謝するとともに、改めて我々の感謝の 気持ちをウォーター・セーフティ・チームに表明したい。」
再びパドリングを始めたとき、突然、何かが後ろにいることを本能的に感じました。
「僕は、そこで波待ちしていたのですが、レッグロープを何かにつにかまれたか、引っかけられたような感じがしたのです。すぐさま、飛びのきました」と、ファニングが言った。
「そいつは、ただただ僕のサーフボードに向かって来たので、蹴りながら叫びました。ヒレだけ目に入りましたが、歯は見えませんでした。
泳ぎながら、歯が僕を狙って来るのをしっかりと見ていました。そいつの背中を殴りましたよ。僕はまったく元気で、何の問題もありません。サーフボードに少し傷が出来ましたが、レッグロープが噛まれていました。本当に茫然としています」
WSL/ Kirstin
「僕はクルージングしながら、自分の波が来るのを待っていたのです。ジュリアン（ウィルソン）が乗っていったのを分かっていましたから。」とファニングは続けた。
「僕 がまさに移動しようとして、再びパドリングを始めたとき、突然、何かが後ろにいることを本能的に感じました。
僕は水中に引きずり込まれ始め、それからサメが現れたのです。僕はサーフボードの上にいました。ちょうど、そのあたりでした。そのサメが、もがき回る姿を見ましたが、レッグロープが僕に巻き付いていました。
WSL/ Kirstin
そいつが僕を蹴飛ばしたように感じましたが、まだそこで動き回っていたんです。僕はサーフボードにつながれたままでした。数回殴りつけたと感じると、そいつが僕を引っ張ったので、レッグロープが切れたんです」
WSL/ Kirstin
「僕は泳ぎ始め、叫び声をあげ、ジュール（ジュリアン·ウィルソン）にも逃げるように大声で呼びかけましたが、彼は僕の方に向かってきました」とファニングは言った。
「何というヤツだ、僕を追いかけてくるなんて！ 僕は泳いで振り返ると、ある考えが浮かびました。もう一度あいつが襲って来て戦ったらどうなるだろうと思ったのです。
それで、 そいつが再び来るのを少しでも見れるようにと思い振り向いていたんです。
ボートがそこにあると気が付く前に、ジェットスキーがやって来ました。我々は助 かったのです。とにかく信じられません。その事件から逃れて、ただただ茫然としています。家族や友人のみんなに、僕は無事だと知らせたいと思います」
WSL/ Kirstin
サメが彼をつかんで、海中に引きずり込もうとしていると思ったのです。
「ミック（ファニング）は、ある意味で生きるか死ぬかの瀬戸際にいたのです。僕はしっかりと彼を見守っていました」とウィルソンは語った。
「ミック（ファニング）は、波の入って来るポイントを見ていました。僕は、そのサメが彼の後ろから現れるのを見ていたんです。
そいつは浮き上がってきて、彼と格闘していました。彼がサーフボードから落とされ、波しぶきがあがるのを見たときは、やられてしまったと思いましたね。
素早くそこに行くことができないと思いました。結果なんてどうでもいいことです。彼が生きているだけで本当にうれしいです。
パドリングして彼に向っていったとき、本当に間に合わないと思いまし た。特に、彼がサーフボードから離れて、泳いでいるのを見たときは、そう思いました。そいつが彼をつかんで、海中に引きずり込もうとしていると思ったのです。
今、こうして二人でビーチに立っていることが、本当にうれしいです。ミックの命のことをとても心配しましたから」
ジュリアン WSL / Cestari
話し合いの結果、ファイナルは再開されず、ファニングとウィルソンは、2位タイと8,000ポイントを獲得。また賞金はそれぞれが70,000ドルを受け取った。
今回の結果で、ファニングはランキング2位。ウィルソンは3位と、それぞれ2つランキングを上げている。そして、エイドリアーノ・デ・スーザ（BRA）は、ジープ・リーダー・ジャージを維持する。
今回の事件が起こる前、前回のフィジーで2位となっていたウィルソンは今回のイベントで今シーズン初優勝を目指し、ファニングは、Jベイ・オープン・タイトルを防衛して、21回目のCT勝利を目指し、４０分間のファイナルをスタートさせた。二人の過去に4度一対一で対戦。成績は五分と五分だった。
WSL / Cestari
オープニング・セミファイナルでは、フォーム・グーフィーフッターのエイドリアン・バカン（AUS）が、オール・オーストラリアン・クラッシュでウィルソンと対戦。
バカンはセミファイナルで惜しくもウィルソンに敗れたが、今回の3位入賞で、ランキング３０位から２０位へジャンプアップ。バカンにとって、2014年のビラボン・パイプ・マスターズ以来のセミファイナル進出となった。
「いまは最高の気分ではないですね。」と、バカンが言った。「僕には最後にチャンスがあって、上手くフィニッシュできなかった。でも、今シーズンの自分を軌道に戻すためには誇らしい結果です。ジュリアンとの素晴しいJベイでの最高のバトルでしたね。」
セカンド・セミファイナルでは、ケリー・スレーター（AUS）とファニングという、ロング・タイム・ライバルであり、ジェフリーズ・ベイで最も成功したサーファー2人が対戦。ファイナルをかけたバトルが繰り広げられた。
二人は、CTヒストリで15回のマンオンマン・ヒートを戦っており、9勝6敗でスレーターがファニングを上回っている。最後の対戦は2013年のフィジーのファイナルだ。
残り時間10分を切って、ファニングは2つの8ポイント・ライドで、11-タイム・ワールド・チャンピオンのスレーターをコンビネーション・シチュエーションに追い込んだ。
スレーターはロングフローター、クイック・バレルとカーヴィング・ターンのコンビネーションでエクセレントな9.43でコンボを脱したが、まだ逆転には7.30が必要だった。そして、ファニングは終了間際の9.63で駄目押し。ファイナル進出を決めた。
今シーズンのスレーターにとって、今回のセミファイナル進出はベストリザルトとなり、ランキング6位のポジションへ彼を押し上げた。
世界No.1のエイドリアーノ・デ・スーザ（BRA）は、クオーターファイナル でウィルソンに破れた。その35分のヒートの間にサーフィンされたのは僅か7本だけで、そのエッジを占拠して勝利を掴んだのは、ウィルソンであった。とは いえ、デ・スーザ（BRA）は、そのトップ・ポジションをキープして、次のタヒチへ入る。
「ジュリアン（ウィルソン）は、素晴らしいサーファーですが、あのヒートは自 分自身に負けたんだと思います。最後の波では全くリズムを掴めなかった。僕は、すべてのコンテストでクォーターかセミまで勝ち上がりたい。それが自分の目 標です。現段階で、誰もがチャンスを持っています。僕は自分のトレーニングと自分のエクイップメントに集中していきます。」
WSL / Cestari
WSLチャンピオンに君臨するガブリエル・メディーナ（BRA）は、スレーターにクオーターファイナルで破れた。第5位でフィニッシュしたメディーナは、ジープ・リーダーボード15位のポジションへ移動。そしてCT第7戦となるビラボン・プロ・タヒチへ挑む。
「ケリー（スレーター）をここで倒すのは難しいですね。特にこのような波の時 は。自分が出来る事はあまりありませんでした。でも楽しんでサーフィンしました。自分の結果に満足しています。僕は、タヒチが楽しみです。去年は素晴しい 成績を残せた場所ですから。ホームに戻ってその準備をするつもりです。」
http://www.worldsurfleague.com/events/2015/mct/1244/j-bay-open
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Jベイ・オープン・ファイナル結果：
2位－ミック・ファニング（AUS）
2位－ジュリアン・ウィルソン（AUS）
Jベイ・オープン・セミファイナル結果：
SF 1：ジュリアン・ウィルソン（AUS）16.40 def.エイドリアン・バカン（AUS）15.20
SF 2：ミック・ファニング（AUS）18.13 def.ケリー・スレーター（USA）16.26
Jベイ・オープン・クオーターファイナル結果：
QF 1：エイドリアン・バカン（AUS）18.00 def.カイ・オットン（AUS）15.67
QF 2：ジュリアン・ウィルソン（AUS）15.53 def.エイドリアーノ・デ・スーザ（BRA）12.33
QF 3：ケリー・スレーター（USA）18.10 def.ガブリエル・メディーナ（BRA）17.23
QF 4：ミック・ファニング（AUS）18.17 def.アレホ・ムニーツ（BRA）9.00
Jベイ・オープン：ラウンド5結果
ヒート1：カイ・オットン（AUS）16.60 def.ナット・ヤング11.34（USA）
ヒート2：ジュリアン・ウィルソン（AUS）18.67 def.ウィゴリー・ダンタス（BRA）13.83
ヒート3：ケリー・スレーター（USA）17.53 def.ミシェル・ボレーズ（PYF）15.00
ヒート4：ミック・ファニング（AUS）15.90 def.キアヌ・アシン（HAW）14.87
